神龍天舞 
ＦＸ（外国為替証拠金取引）は、少ない資金で大きな取引ができる魅力的な投資手法である。
しかしその裏には、証拠金不足による「追加保証金（追証）」というリスクが潜んでいる。
相場が急変したとき、突然「追証が発生しました」と通知が届き、慌ててしまった経験がある方もいるのではないだろうか？
本記事では、追加保証金とは何か？なぜ発生するのか？そして、払えない場合にどうすればよいのか？について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説している。
さらに、追証を回避するための予防策や、万が一のときの具体的な対処法まで網羅する。
ＦＸを安全に続けるためには、リスク管理と知識が不可欠だ。
最後まで読めば、追証に対する不安を減らし、より安心してＦＸ取引に取り組めるようになるのだ。
★国内ＦＸにおける追加保証金（追証）とは？
ＦＸ（外国為替証拠金取引）は、少額の証拠金で大きな金額の取引ができる「レバレッジ取引」が特徴である。
しかしこの仕組みにはリスクも伴い、相場が急変すると証拠金が不足する事態が起こる。
そこで発生するのが「追加保証金」、通称「追証（おいしょう）」だ。
追証とは、証拠金維持率が１００％を下回った際に、ＦＸ業者から追加の証拠金を求められる制度のことをいう。
証拠金維持率とは、口座の有効証拠金を必要証拠金で割った割合で、取引の安全性を示す指標である。
たとえば、必要証拠金が６００００円で、有効証拠金が５００００円になった場合、証拠金維持率は約８３％となり、追証が発生するのだ。
★追証が発生する主な原因
ＦＸ取引において追証（追加保証金）が発生するのは、証拠金維持率が一定の水準を下回った時だ。
では、なぜそのような状況に陥るのだろうか？
以下で、追証が発生する主な原因を具体的に紹介する。
相場の急変動による含み損の拡大
為替市場は、経済指標の発表や地政学的リスク、要人発言などによって急激に変動することがある。
特に、雇用統計や金利政策の発表時には大きな値動きが起こりやすく、ポジションが逆方向に動いた場合、短時間で含み損が膨らみ、証拠金維持率が低下する。
高レバレッジの使用
レバレッジを高く設定すると、少ない資金で大きな取引が可能になるが、その分リスクも大きくなる。
わずかな値動きでも損益が大きく変動するため、証拠金が急速に不足するおそれがある。
特に初心者が無理に高レバレッジを使うと、追証のリスクが高まる。
ポジションの長期保有による損失の蓄積
損切りせずにポジションを長期間保有し続けると、含み損が徐々に積み重なり、証拠金維持率が低下いていく。
特に、トレンドに逆らったポジションを持ち続けると、回復の見込みが薄くなり、追証が発生しやすくなる。
複数ポジションの同時保有
複数の通貨ペアでポジションを持つと、リスクが分散されるように見えるが、実際には相関関係によって同時に損失が拡大することもある。
結果として、全体の証拠金維持率が下がり、追証が発生することがある。
スワップポイントのマイナス影響
スワップポイント（通貨間の金利差による調整額）がマイナスの場合、ポジションを保有しているだけで日々損失が発生する。
積み重なると、有効証拠金が減少し、追証の原因となる。
★追証が払えない場合のリスクと流れ
ＦＸ取引で追証（追加保証金）が発生したにもかかわらず、期限内に支払えない場合、トレーダーには重大なリスクが降りかかる。
ここでは、追証を放置した場合に起こりうる流れと、それぞれの段階でのリスクについて詳しく見ていいこう。
追証発生の通知
まず、証拠金維持率が一定水準（通常１００％）を下回ると、ＦＸ業者から「追証発生」の通知が届けられる。
この時点で、指定された期日までに不足分の証拠金を入金する必要がある。
多くの業者では、翌営業日までの入金を求めるケースが一般的だ。
強制ロスカットの実行
期日までに追証を支払えない場合、ＦＸ業者は保有しているポジションを「強制的に決済（ロスカット）」する。
これにより、損失が確定し、口座残高が大幅に減少するおそれがある。
相場が急変しているタイミングでは、ロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになる。
マイナス残高の請求
強制ロスカット後に口座残高がマイナスになった場合、ＦＸ業者はその不足分をトレーダーに請求してくる。
これは「債務」として扱われ、支払い義務が発生する。
請求額は数万円から数百万円に及ぶこともあり、非常に深刻だ。
業者からの督促・交渉
支払いが滞ると、業者から電話やメールで督促が始まる。
この段階で誠意を持って対応すれば、分割払いの交渉など柔軟な対応をしてもらえる可能性もある。
無視を続けると、次のステップに進むリスクが高まる。
法的措置（訴訟・差し押さえ）
督促に応じず、支払いも行わない場合、業者は法的措置（民事訴訟）を取るおそれがある。
裁判所から訴状が届き、判決が下されると、給与や預金口座などの財産が差し押さえられることもありうる。
信用情報にも傷がつき、今後の金融取引に大きな影響を及ぼすのだ。
★追証が払えない場合の対処法
追証（追加保証金）が発生し、支払いが困難な状況に陥った場合でも、冷静に対処すれば最悪の事態を回避できる可能性がある。
以下で、追証が払えないときに取るべき具体的な対処法を紹介する。
① まずはＦＸ業者に連絡して相談する
最優先すべきは、ＦＸ業者への連絡だ。
支払いが難しいことを正直に伝えることで、分割払いや支払い猶予の交渉ができる場合がある。
無視や放置は絶対にＮＧ。
誠意ある対応が、後の展開を大きく左右する。
② 不要な資産を売却して資金を確保する
家にある不用品（家電、ブランド品、ゲーム機など）をフリマアプリやリサイクルショップで売却して現金化する。
少額でも追証の一部に充てることで、業者との交渉材料になるのだ。
③ 一時的に借入を検討する（慎重に）
消費者金融やカードローンを利用して資金を調達する方法もあるが、金利が高いため慎重に判断が必要となる。
返済計画が立てられる場合に限り、一時的な資金繰りの手段として検討しよう。
④ 家族や信頼できる人に相談する
精神的にも経済的にも追い詰められているときは、一人で抱え込まずに相談することが大切である。
家族や友人に事情を説明し、一時的な支援をお願いするのも選択肢の一つだ。
⑤ 専門機関に相談する（無料相談あり）
法テラス（日本司法支援センター）や弁護士会の無料相談に頼れば、法的なアドバイスを受けられる。
借金問題に強い認定司法書士や弁護士に相談することで、適切な対応策が見えてくるのだ。
⑥ 債務整理を検討する（最終手段）
どうしても支払いが困難な場合は、債務整理という法的手段もある。
- 任意整理：業者と交渉して返済額や利息を減額。
- 個人再生：裁判所を通じて借金を大幅に圧縮し、分割返済。
- 自己破産：返済不能と認められれば、借金の支払い義務が免除される。
※債務整理にはメリット・デメリットがあるため、専門家とよく相談のうえ判断しよう。
★追証を回避するための予防策
ＦＸ取引において追証（追加保証金）は、資金管理を誤ると誰にでも起こり得るリスクだ。
しかし、事前にしっかりと対策を講じておけば、追証の発生を未然に防ぐことが可能である。
ここでは、追証を回避するための具体的な予防策を紹介する。
証拠金維持率を常にチェックする
ＦＸ業者の取引画面では、証拠金維持率がリアルタイムで表示されている。
維持率が１００％を下回る前にポジション調整や資金追加を行うことで、追証の発生を防げる。
アラート機能がある業者では、通知設定を活用しよう。
レバレッジは控えめに設定する
高レバレッジは利益も損失も大きくなる。
初心者は最大でも5倍程度までに抑えるのが安全だ。
低レバレッジであれば、相場が多少逆行しても証拠金維持率に余裕が持てる。
損切りルールを徹底する
「損切りできない人はＦＸで勝てない」と言われるほど重要なルールだ。
あらかじめ損切りラインを設定し、機械的に決済する習慣をつけよう。
感情に流されてポジションを放置すると、追証のリスクが急上昇する。
ポジションサイズを適切に管理する
１回の取引で資金の大半を使うのは危険だ。
１ポジションあたりの必要証拠金を把握し、資金の２０〜３０％以内に抑えるのが理想。
複数ポジションを持つ場合は、相関関係にも注意しよう。
経済指標や要人発言のスケジュールを確認する
雇用統計や金利政策の発表時は、相場が大きく動くことがある。
重要イベント前にはポジションを縮小するか、ノーポジで待機するのが安全策だ。
自動ロスカットや逆指値注文を活用する
多くのＦＸ業者では、一定の証拠金維持率を下回ると自動でロスカットされる。
逆指値注文（ストップロス）を活用すれば、損失を限定しやすくなる。
手動で損切りできない人ほど、自動注文の設定が有効だ。
★終わりに
ＦＸは魅力的な投資手法だが、追証というリスクを正しく理解し、適切な資金管理とリスク対策を講じることが不可欠である。
万が一払えない状況に陥っても、冷静に対処すれば最悪の事態は回避できる。
初心者の方は、まずは少額・低レバレッジから始め、追証のない海外ＦＸなども選択肢として検討してみよう。
資産を守るためには、知識と準備が最大の武器となる。
追証が嫌な人は、海外ＦＸに移行しよう。
ゼロカットシステムというものがあり、追証が発生しないのだ。
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